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社会人が中国留学した場合、住民税はどのようになるのでしょうか?
まず最初に住民税についての基本的なルールをまとめておきましょう。
1.1月1日に住民票がある自治体に支払う
注意して欲しいのは、本人がそこにいるかいないかは問題にならないということです。ですので、住民票を残している限り、中国留学中も住民税の支払い義務は発生します。
2.住民税は前年の所得を基準に算出される
ですので、留学中は当然無収入ですが、留学する前に所得があると中国留学中も住民税は発生します。
3.住民税は分割払い
住民税は会社員の場合、毎年6月から翌年5月まで12分割で、毎月の給与から天引きされます。これを住民税の特別徴収と呼びます。会社を辞める際には、残り分を何らかの形で支払う必要があります。
中国に留学する場合の住民税の支払いを具体的に見てみましょう。2010年の8月に退職して、9月から中国に留学した場合を考えます。
ケース1:住民票を移動しない場合
実家から会社に通っていたなど、住民票の移動が発生しない場合です。
2010年分の住民税は2009年の所得を基に算出し、2010年6月から2011年5月まで12分割で給与から天引きされます。8月に退職する時点で6〜8月までの3か月分の住民税はすでに支払済みです。しかし、9月から2011年5月までの9か月分は支払いが済んでいません。この分の住民税は、会社または市役所などで一括して支払います。これを住民税の一括徴収と呼びます。
問題は翌年の住民税です。すでに述べたように、住民税は1月1日の住民票の所在を根拠に、前年度の収入を基準に算出されます。2010年9月から中国に留学する場合、2011年1月1日に本人は日本にいません。ですが、住民票はもとの自治体に残っています。さらに、2010年は所得があります。したがって、本人は日本におらず、留学時点で収入がないにもかかわらず、中国留学中の2011年についても住民税の支払いが発生します。
すでに会社を辞めているため、給与から自動天引きする住民税の特別徴収は利用できません。2011年分の住民税は住民票がある自治体で、2011年6月から2012年5月まで4分割で支払います。これを住民税の普通徴収と呼びます。この分についてはご家族などに支払いを頼んでおく必要があります。
ケース2:住民票を移動した場合
長崎市で働いていた人が2010年8月に会社を退社。住民票を実家がある熊本市に移し、9月から中国に留学したとします。
まず、2010年分の住民税について、6〜8月までは支払済みです。9月から翌年5月までの9か月分は、会社を通して住民税の一括徴収で長崎市に支払います。住民税の支払い先は1月1日時点で住民票がある自治体です。2010年1月1日には長崎市に住民票があったのですから、熊本市に住民票を移動したあとも、2010年分の住民税は長崎市に支払います。
2011年分の住民税はどうなるでしょうか? 2010年8月に実家に引っ越し、住民票を熊本市に移動、そして9月から中国へ留学です。ということは、2011年1月1日時点で住民票は熊本市にあることになります。したがって、2011年分の住民票は熊本市に支払うことになります。
バタバタしていて、引っ越したのに住民票を移動しなかった場合、本人は中国に留学していても、住民票は長崎市に残ったままです。そのため、2011年分の住民税について、2011年5月か6月頃に長崎市のもとの住所に市からの支払い通知が郵送されてきます。これに気付かなかった場合、住民税は支払われませんから未納、滞納扱いになり、追徴金が課されます。
ケース3:海外転出届をした場合
長崎市から熊本市に住民票を移し、中国に留学する時点で海外転出届をした場合はどうなるでしょうか?
海外転出届をすると、その自治体から海外に出て行くという扱いになります。つまり、海外転出届をすると住民票が国内にない状態になります。
2010年分の住民税については2010年1月1日時点の所在が根拠となりますので、海外転出届をしても支払いが必要です。しかし、2011年分の住民税については、2011年1月1日時点での所在が課税根拠です。海外転出届をするということは、中国に留学する時点で住民票を日本から抜くわけですから、2011年1月1日には日本のどこにも住民票がない状態になります。1月1日に住民票がない以上、住民税を支払う義務は発生しません。したがって、このケースの場合、中国留学前に海外転出届をしておけば、翌年分の住民税を支払う必要はありません。
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